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人間

人間は、"考える意志"である。


人間は、普段、情欲を理性でコントロールしながら 生活している。例えば、食べたい物も、今の懐具合とか、健康状態とかで選ぶ、といったように。しかし、実は、 理性的と思われる行動のほとんどが、強く情欲に影響され、無意識のうちに歪められ、 ある方向性を持って選択されている。理性が理性として真に 情欲をコントロールするには、その理性と情欲を含めた生命全体の境涯を高めていく以外にない。


よく、テレビなどで、動物が動物を襲い、 餌食にする場面が出てくると、 私達はある種の興奮を覚え、 それが性的興奮に通じていることに驚き、たじろいでしまう。人間もまた他の生命を食する動物であり、 その動物の本性を、そのまま引き継いでいる生命であると、新ためて認識させられる。


戦争となると、さらに人間は、この本性が狂気へと変わり、 動物を遥かに超えた、残虐性を見せる。なまじ理性がある故に、その理性を虜にし、変質させた狂気は、 人間を、 生命の破壊をもてあそぶ、 動物以下の狂った生命(悪魔)にしてしまう。必然的に、この生命は、蛆虫以下となり、物質以下となって、 破壊の苦に生きることになる。


どんなに知性が発達し、世界を知り、宇宙を 知り、高度な技術を持って、高度な文化を築いても、知性は、行為(創造)の手段に過ぎず、 生命の"最高の優位"(生命の目的)の基準にはなり得ない。それ故に、知性のみで、 生命の"最高の優位"(生命の目的)に達することも出来ない。利口な人間(生命)が、 即、幸せな人間(生命)ではないのと同じである。


人間は、 すでに十分に"最高の優位"(生命の目的)に近い、 より尊貴な生命である。


人間は、地球上の全生命の財産を引継ぎ、 全生命の頂点として、"最高の優位"(生命の目的)に至る資格を有する、より尊貴な生命である。


行為しない生命から、より自由に行為する生命まで、 生命を食して生きる生命として、生命の破壊を"悪"と分別し、その贖いとして、 生命の創造に生きることのできる 生命は、この地球上で、人間以外にない。


他の生命を食して生き、生命の破壊を"悪"と 分別することを、人間の"都合"と認識し、それ故に、利他の創造に生きることの出来る生命は、この地球上で、 人間以外にない。


この認識と、行為が出来る生命が、人間以上の 生命たる資格を有する生命となり、この認識と、行為が出来ない生命が、人間以下の 生命たる資格を有する生命となる。


"最善の解釈"をしながら、"最善の 行為"をし、"最善(最高)の優位"(生命の目的)に至ることが可能な生命を、人間という。


人間は、 すでに十分に"最高の優位"(生命の目的)に近い、 より尊貴な生命である。


(1997.12.15)

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